iPod classicで動画を快適に再生する方法(2026.2.1改訂)

昔の iPod classic を、今でも大切に使っています。
カメラが付いていないため、私の生活環境では今でも貴重な音楽・動画プレーヤーです。

ただ、動画を入れようとすると困ったことが起きました。

  • 動画によっては音声に「サー」というノイズが乗る
  • 変換しても再生できない
  • HandBrakeではうまくいかない

色々試した結果、次の組み合わせで解決することができました。
FFmpeg + QAACで音声を作り直す方法に落ち着きました。

この記事では、同じように悩んでいる方へ向けてまとめたいと思います。

  • 合法な動画変換
  • ノイズの原因
  • 実際に成功した手順
  • 自動変換スクリプト

動作環境はWindows 11で、Windows PowerShellを使っています。

はじめに法律と注意点について

最初に大事なことだけ書いておきます。

コピーガード解除は違法です

DVDやBlu-rayのコピーガード(CSS/AACSなど)を解除してリッピングする行為は、日本では違法です。この記事では扱いません。

個人録画データの編集は可能

自分がビデオカメラ等で録画したものは著作者はあなたです。個人利用の範囲で編集や変換することは問題ありません

iPod classicで起きた問題

HandBrakeで普通に変換すると、このような問題がおきました。

  • 音声にノイズ
  • 音量が小さい
  • 途中で再生停止
  • 同期ズレ

原因を調べるとさもありなんといった感じでした。

  • iPod classic は AAC エンコードとの相性が非常にシビア

特にFFmpeg内蔵AACより、Apple製QAACの方が相性が良いようです。

  • 参考法令:著作権法 第30条(私的使用のための複製)e-Govサイト
  • 重要ポイント:市販DVD / Blu-rayや他人配信コンテンツのコピーガード解除は違法です

最終的に落ち着いた変換方式

やったことはシンプルです。必要なツールはWindows PowerShellを含めて2つ、手順は3つだけでした。

必要になるツール

# Windows PowerShell
winget install --id=Gyan.FFmpeg -e

手順①:音声をWAVで取り出す

まず音声を動画から取り出します。劣化を防ぐために非圧縮WAVにします。

手順②:QAACでAAC化

Apple純正エンコーダ(qaac)でAACに変換します。
これでノイズは消えました。

ここが最大のポイントです。

手順③:映像と音声を再結合

最後に元映像とAACを再結合して完成です。

推奨設定

音声について

  • AAC(qaac)
  • ステレオ
  • 192から320kbps
  • 44.1kHz

映像について

  • H.264(Baseline / Level 3.0)
  • 640 x 480以下
  • 30fps固定
  • yuv420p

この設定がiPod classicで最も安定していました。

実際に使っている自動変換スクリプト

毎回コマンドを打つのは大変なので、私なりの方法でバッチ化しました。

挙動としてはMKV / MOV / MP4 / WMV / AVIを自動判別して、iPod classicに適したM4Vとして出力するものです。

ffmpeg.exeのフルパスとqaac.exeのフルパスはご自身の環境に合わせて記入してください。

@echo off
chcp 65001 >nul
setlocal enabledelayedexpansion

set "FFMPEG=ffmpeg.exeのフルパス"
set "QAAC=qaac.exeのフルパス"

echo ============================================
echo 動画変換 for iPod Classic
echo 対応拡張子 MKV MOV MP4 WMV AVI
echo ============================================

if not exist "%FFMPEG%" (
    echo ffmpeg のパスが正しいか確認してください。
    pause
    exit /b
)

if not exist "%QAAC%" (
    echo qaac のパスが正しいか確認してください。
    pause
    exit /b
)

:: ============================================
:: 1回だけ全ファイルを走査 → 拡張子自動判別
:: ============================================
for %%A in (*) do (
    set "ext=%%~xA"
    set "ext=!ext:~1!"

    if /I "!ext!"=="mkv" call :ProcessFile "%%A"
    if /I "!ext!"=="mov" call :ProcessFile "%%A"
    if /I "!ext!"=="mp4" call :ProcessFile "%%A"
    if /I "!ext!"=="wmv" call :ProcessFile "%%A"
    if /I "!ext!"=="avi" call :ProcessFile "%%A"
)

echo ============================================
echo すべての処理が終わりました。
echo ============================================
pause
exit /b


:ProcessFile
set "input=%~1"
set "name=%~n1"
set "wav=%name%_jpn.wav"
set "m4a=%name%_jpn.m4a"
set "out=%name%.m4v"

echo --------------------------------------------
echo 処理中です: %input%
echo --------------------------------------------

:: 日本語音声抽出
"%FFMPEG%" -y -i "%input%" -map 0:a:m:language:jpn -vn -acodec pcm_s16le -ar 44100 -ac 2 "%wav%"
if not exist "%wav%" (
    echo 日本語トラックが無いのでスキップします。
    goto :eof
)

:: WAV → M4A
"%QAAC%" "%wav%" --tvbr 55 -o "%m4a%"
if not exist "%m4a%" (
    echo M4A 作成失敗。
    del "%wav%" >nul 2>nul
    goto :eof
)

:: 映像 + 音声 再結合
"%FFMPEG%" -y -i "%input%" -i "%m4a%" -map 0:v:0 -map 1:a:0 ^
-c:v libx264 -profile:v baseline -level 3.0 -pix_fmt yuv420p ^
-vf "scale=640:480:force_original_aspect_ratio=decrease,pad=640:480:(ow-iw)/2:(oh-ih)/2" -r 30 ^
-c:a copy "%out%"

del "%wav%" >nul 2>nul

echo 完了: %out%
echo.
goto :eof

失敗談(参考までに)

実は最初、かなり遠回りしました。

  • HandBrakeはノイズが出てしまう
  • 直接AACは音割れしてしまった
  • ビットレート変更も改善せず

「iPod classicが古いから仕方がないのかな」と諦めかけたこともありました。

しかし音声の変換をQAACに変えただけで一発解決しました。

この世にはブレイクスルーというものがあるものだな、としみじみ思いました。

FAQ

Q
用途が私用ならばDVDやBlu-rayをリッピングしてもいいですか?
A

リッピングをする際必ずコピーガードを外します。違法のためこの記事では扱いません。

Q
nasneで録画したTSをMP4に変換しても大丈夫ですか?
A

個人利用の範囲で視聴するのは構いませんが、コピーガードは外してはいけません。

Q
iPod classicで音声にノイズが出ます。
A

FFmpeg AACではなく、QAACで再エンコードすると改善します。

Q
スクリプトで対応している拡張子は何ですか?
A

MKV / MOV / MP4 / WMV / AVIを自動判別して処理します。

まとめ

iPod classicは古い機種ですが、今でも現役で使える良いプレーヤーだと思っています。

今回のポイントを整理すると、次のようになるのではないでしょうか。

  • コピーガード解除は違法です
  • 個人が録画した映像は著作者が本人であるため編集・変換ができます。
  • 音声はQAACで作り直す
  • 映像はH.264 Baselineは守らなくてはならない
  • FFmpegで映像とWAVと切り離し、qaacでWAVをM4Aに変換、FFmpegで元動画とM4Aを再結合、これで万事解決です
  • スクリプト化すると本当に楽になります

大したことはしていませんが、驚くほど安定した動画体験をiPod classicで得られます。

同じようなことで困っている方の一助になれば幸いです。

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