MacBook 12インチ 2015の「k」を押しても反応しない。強く押しても反応しない。そんな状態になってから5年が経ちました。
12インチというサイズが気に入っているので現役です。なんとかして復活させてみます。
この記事では、MacBook 12インチ(2015モデル)の「k」キーが効かなくなったトラブルを、分解最小限・工具ほぼ不要で復活させた方法を解説します。
結論から言うと「カードでキートップを外し、接点掃除+接点復活剤を軽く塗布+200回連打」で復活しました。同じ症状で困っている人は、まずここから試してみてください。
【結論】最速解決の要点
- 単一キーボードの不良ならば復活する可能性あり
- キートップは横から差し込み上をぐるりと回してツメを外す
- まずはダストブロアーかけてから100回連打
- ダメなら接点復活剤を極少量だけ黒いポッチに塗る
- あとはひたすら連打で馴染ませる
突然「k」が効かなくなるトラブル発生
およそ5年前の話です。MacBookを使っていたら、突然「k」のキーだけ反応しなくなりました。
MacBook 12インチ 2015は元々キーボードに問題を抱えているシリーズでした。Appleも交換をするレベルです。「基盤いったか」と思っていました。
しかし、サービスも切れていたのでお金がかかります。macOSの更新の対象外であるため、ソフトウェアキーボードで対応していました。英文を打つ分には「k」の文字は頻繁に使いません。しかし、日本語。日本語は「k」の文字を多用するので困りました。
そして最終的にはワイヤレスキーボードを接続する始末です。とても不便でした。
危険と免責
- この記事の手順はメーカー非推奨です
- キートップの破損や内部構造の破壊リスクはあります
- 作業は自己責任で行なってください
- これはMacBook 2015のバタフライキーにのみ適用できます
- あくまでも力技なので修理ではなく延命です。
- 根本的解決を望む場合はApple公式修理を推奨します。
動作環境・必要なもの
- MacBook 12インチ(2015)
- 硬くて薄いカードや柔らかめのギターピックなど
- エアダスター
- 接点復活剤(最終手段)
なぜ直るのか?
このMacBook 12インチ(2015)に採用されているバタフライキーボードは、ストロークが非常に浅く、微細なホコリや汚れの影響を受けやすい構造で批判の対象になっていました。
推測ですが、今回の対処で改善した理由は主に3つです。
- ゴミの除去
エアダスターや振動によって異物が移動 - 接点の回復
接点復活剤や摩擦により導通が改善 - 機構の馴染み
連打により内部機構が正常位置に戻る
つまり、「清掃+微細な研磨+機械的リセット」が同時に起きたと考えられます。
注意点
- 大事なデータはバックアップを取る
- 作業前は電源を切る
- まずはエアダスター推奨
- 接点復活剤は最終手段
- 接点復活剤のつけすぎ厳禁
- 完全乾燥させず液体が内部に残ったままだと逆効果
MacBook 12インチのキーボードの仕様変更による脆弱性
従来のMacBookのキーボードはシザー構造でした。新しく取り入れられたバタフライ構造は、薄型でしたが、その分隙間が非常に厳しくなりました。そのためいくつかの弊害がでてきました。
- 物理的余裕がない
薄型にするために取り入れられたバタフライはシザーより40%ほど薄く作ることができたようです。また安定感もうりでした。しかし可動域が狭くメンテナンスが大変になりました。 - チリやホコリの影響
採用されたバタフライ構造はV字型のスイッチ機構でした。微細なホコリが内部に侵入するだけで、V字に挟まり、物理的に押せなくなります。または1回の打鍵で2回入力されるチャタリングが発生して不評でした。 - よりデリケートになった
シザー構造であれば、打鍵の振動や横からフーと息をかけるだけで多少のゴミは対処できました。しかしバタフライ構造はその精密さゆえにゴミをはさんでしまい、排出できませんでした。
バタフライ構造だけが問題ではありませんでした。AppleはこのMacBook 12インチ 2015に対して4年間の無償修理プログラムを提供しました。致命的な欠陥があったからです。
- 修理不能な構造
キーボードが本体外装と一体化されていたため、キー1つの不具合でもバッテリーや筐体を含む上側全体の交換が必要になり、ユーザー側の修理コストが高額になりました。私も「k」だけで5万円は出せませんでした。 - 再発問題
修理して新品に交換しても構造は変わりません。再びホコリが入れば同じ現象が起きることも悪評でした。
結果、集団訴訟が起こり、構造上の致命的欠陥を認めざるを得なくなりました。よって2019以降のMacBookではシザー構造に戻り安定性を取り戻しました。
薄さと安定性のトレードオフの見本のようなものでした。
修理作業手順
文句ばかりは言っていられませんので、修理作業の一例を示したいと思います。
キートップを外す
キーの横から薄くて硬いカードを差し込み、上方向へぐるりとスライドしてツメを外します。
※下方向にこじると破損します。

ツメが外れると、キートップが少し浮くので、カードでそのまま引き上げます。

キートップを外したところ、とくにホコリやチリなどの異物は入っていないように思えます。念のため隣の「j」も外してみます。

見やすいように通電して光らせていますが、キーボードでもなんでもいじっている最中に電気を通すのはダメです。真似はしないようにしてください。
内部の清掃
キーボードは目視で汚れは確認できませんでした。ここで中央の黒いポッチを中心にエアダスターを念入りにかけておきます。
その後キートップを戻して、とにかく連打します。ここで直れば安全圏で済みます。しかし、今回は直りませんでした。
原因の見直し
当初予定していた記事は、ホコリの除去をして復活、完。このように思っていましたが、どうも違うようです。
MacBook 12インチ 2015のキーボードは、異物混入による接点不良の他にも原因はあります。
- 異物(ホコリ、チリなど)が挟まり電流が流れない
- 酸化(金属+酸素+湿気=酸化膜)で抵抗が上がり導通悪化
- 被膜汚染(皮脂、有機物、接点復活剤の残り)により完全導通しない
このあたりが考えられます。異物は試したので、酸化を疑うことにします。
接点処理(リスク有り:加減により被膜汚染を起こします)
接点復活剤を少量中心に塗ります。

画像には綿棒が映っていますが、綿棒はごしごし使うのではなく、キーボードの黒丸にちょんちょんと接点復活剤をのせるために使います。
その後、半日から1日ほど乾燥させます。
キー連打
ここからが本番です。とにかく連打です。50回でだめなら100回、100回でだめならば150回、150回でだめならば200回。このようにとにかく連打します。
200回を超えても復活しない場合は、接点復活剤が乾いていない可能性があります。もう少し時間をあけましょう。
なぜキーを連打して直せるのか
ここにきてパーカッシブメソッド…と思うかもしれません。しかし接点復活剤を使ったときの連打は理にかなった方法でもあります。
- 摩擦による酸化膜破壊
連打で接点がすれることで酸化膜が削れます。微細な研磨をしている感じです。 - 電気的ブレークダウン
連打をすることで微小な電流が流れると薄い被膜を局所的に破壊できます。 - 振動によるゴミ移動
連打で微振動が発生して異物がずれることで導通する可能性があります。 - 接触圧の最適化
連打することでバネやドームが馴染む。馴染んでほしい。
接点復活剤により不具合キーの復活
接点復活剤を塗布して乾かした後、テキストエディタを開いて連打しました。200回を超えたところで、テキストエディタに「k」の文字が現れました。

ただ文字が打てただけで終わらせてはいけません。次のチェック項目を満たして完了です。
- 軽く押して反応するか
- 連続入力をしても途切れないか
- 押したときの圧力が均一か
- チャタリング(1度打っただけで2文字出る)は起きていないか
これをクリアした場合、キーの修理は完了です。
キーボード修理の比較
- エアダスターのみで改善→ホコリやチリなど軽度ならば改善。全部これで直ってほしい。
- 接点復活剤→少量ならば効果が高い。加減を間違えると被膜汚染のリスクがある。
- 連打→エアダスターと接点復活剤乾燥後の場合、地味だけれど効果は大きいです。
- 分解修理→Apple製品は無茶苦茶な詰め込み方をしている場合があるのでお勧めできません。ただ、キーボード側の正常な基盤があるのならば確実に直ります。
トラブルシューティング
- 複数のキーまたはある範囲のキーが複数効かない
→基盤やケーブル破損の可能性があります。特に水没していた場合はメーカー修理です。 - 全く反応しない
→接点以外の故障の可能性。MacBook 12インチ 2015は基盤や配線に問題を抱えています。 - すぐに再発してしまう
→このMacBook 12インチは構造的に問題(ゴミの逃げ場がない、フレックスケーブル、電気的問題)を抱えています。2019以降のMacBookに変え時です。 - チャタリングが起きてしまう
チャタリングについては解決できる可能性があります。
トラブルシューティング:チャタリング問題
チャタリングが出る状態は良い兆候だと思います。直ってはいるけれども、完全には直っていない状態でチャタリングが発生することがあります。
故障している状態は完全絶縁状態で、修理の最終目的は完全導通です。チャタリングはその中間にある状態で、ONとOFFが繰り返されています。
チャタリング状態では何が起きているのか
チャタリングは、接点が完全に死んでいる状態よりも、むしろ回復途中に発生しやすい現象です。
- 接触がまだ不安定
→押すたびに導通状態が変わっています - 被膜が完全に除去されていない
→部分的に残っているので連打がたりません - 接点復活剤の残留
→接点復活剤が多すぎて被膜ができ、抵抗値が揺れています。乾かしましょう。
チャタリングとはどういう状態なのか
接触抵抗が閾値あたりで揺れている状態です。難しい言葉で好きではありません。
つまり、ON→OFF→ON→OFFとなっていることがチャタリング発生している状態です。
対処する方法は、今回の修理方法に限ってですが、次の方法が有効です。
- 追加で100回単位で軽く連打
- さらに乾燥させる1日以上
- もう一度連打
- 馴染ませ+揮発待ち
チャタリングが起きているな、と思って接点復活剤を追加で投入することは逆効果です。
油膜が張っている→絶縁化→悪化
このような悪循環になります。やめましょう。
よくある質問(FAQ)
- Q連打は何回が適切ですか?
- A
少なくとも100回以上は軽く連打したいです。今回は200回くらい連打で復活しました。
- Q接点復活剤は必須ですか?
- A
必須ではありません。エアダスターで解決しない場合に使います。
- Qキートップは簡単に戻せますか?
- A
正しく外せば簡単に戻せます。外すときにツメを破損した場合は取り付けられません。
まとめ
MacBook 12インチ 2015のキー不良はAppleが異例の4年間交換修理を提案する構造的な不具合があります。基盤の交換は常人にはできません。
ただ軽度であれば清掃と連打で復活する可能性があります。特に単一キーの不良であれば試す価値は十分あります。
ただしこれはあくまで延命処置です。再発する場合や症状が広がる場合は、ハードウェア的な故障を疑いましょう。
リファレンス
- Apple公式MacBook 12インチ 2015仕様
https://support.apple.com/ja-jp/103257

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