iPod classicに映像を同期できないひとへ

Windows 11でiPod classicにムービーを同期する

iPod classicは私にとって必需品です。それはカメラ機能がついているものを持ち込めないところに数週間行かなければならない時があるからです。

スマホは受付で預け、Wi-Fi、Bluetoothもダメ。現代社会でネットワーク難民にならなければなりません。

そこで、すべての基準を満たしている機器がiPod classicだったのです。Touchはカメラがあるのでダメです。音楽を聴いていれば少しは暇つぶしになるだろう、そう思っていました。

しかし、アニメや映画をiPod classicに入れておけば、数日は時間をつぶすことができます。音楽よりも精神を保つことができます。

今回は備忘録もあわせてブログにHandbrakeでの設定等を残していきたいと思います。

iPod classicで映像を再生できるようにする

今まではHandbrake1.6.0のApple Device Legacyのプリセットを使っていました。しかし、どうにも映像が荒いのがきになります。

Handbrakeの最新版(2025年9月6日)が出たことを頃合いとして、最新版でApple Device Legacyの設定が再現できないかためしてみました。

iPod classicの公式仕様

まずiPod classicの映像(ムービー)に関する仕様を調べてみました。

  • 形式
    H.264 (Baseline Profile、最大1.5Mbps、解像度640 x 480、30fps)
    MPEG-4(Simple Profile、最大2.5Mbps、解像度640 x 480、30fps)
  • 音声
    AAC-LC 160kbps、48kHz、ステレオ
  • 対応拡張子
    .mp4、.m4v、.mov

つまりは最低限このスペックを超えないように調整する必要があるようです。

元にするプリセット

すでにApple Device Legacyはないため、一番近いプリセットを選択します。色々ありますが、「Very Fast 480p30」が調整するのに都合がよかったです。

解像度480pで30fps、そして低ビットレートということでApple Device Legacyに最も近い互換範囲でした。

1080pや580pはiPod classicにはオーバースペックで再生不可能でした。

Handbrakeの微調整

ではHandbrakeでの設定をいじってみたいと思います。

まずは概要から設定の変更を始めていきたいと思います。

概要

一番最初に手を入れるのは概要のチェックボックスです。ただチェックするだけなので簡単です。

  • コンテナ…MP4
  • コンテナ…iPod 5Gに対応

この2か所にチェックをいれてください。

概要の設定

*「Web用に最適化」は必須ではないようです。(追記)

寸法

寸法、表現的にはあっていると思いますが、不思議な響きがします。さて、寸法の設定にあたります。

  • 解像度と拡大縮小
    最大サイズの幅「640」高さ「空欄」
  • 境界
    「なし」

おそらくこれで16:9も4:3も対応できると思います。どちらにせよ幅は最大640であるため、幅640だけは指定しておきましょう。

寸法の設定

フィルタ

フィルタは全てOFFです。一行ですみません。

動画

ここが肝心要の設定となります。私の場合は次の設定でiPod classicで動画を再生することができました。

  • 動画エンコーダ…H.264
  • フレームレート…30、固定フレームレート
  • プリセット…VerySlow
  • プロファイル…Baseline
  • レベル…3.0
  • 品質…固定品質22~23

こんなところだと思います。特にフレームレートとプロファイルとレベルはこの値でなければ再生できません。

プリセットは少しでも画質を上げるため、品質はファイルサイズを軽くするためギリギリのラインです。24まで行ってしまうとiPod classicの画面でもキツめの画質です。22推奨です。

動画の設定

音声

音声はそれほど重要ではないように感じます。どうしても古い機種では迫力のある音は出せません。

iPod classicの仕様に基づいて設定をしてみました。

  • コーデック…AAC(avcodec)
  • 品質…ビットレート128
  • ミックスダウン…Stereo
  • サンプリングレート…44.1

ビットレート160までいけますが、こちらの方が安全です。またサンプリングレートも48までいけますが、同じくこちらの方が安定感があります。

音声の設定

iTunes上でのエンコード

ここまではHandbrakeでiPod classic用にエンコードしてきました。ここからはそれをiTunesを通してiPod classicへ同期する方法に移ります。

今までの映像ファイルをそのままムービーのライブラリに追加しても同期はできません。同期をするならばiTunes上でもう一度エンコードする必要があるようです。

まず「ファイル」を選び、「変換」を選びます。出てきたメニューから「iPod/iPhoneバージョンを作成」を選びます。

これでようやくiPod classicで読み込める状態になります。しかしこのiTunes上でのエンコードが遅いこと遅いこと。

iPod/iPhoneバージョンの作成

まとめ

2025年9月のHandbrakeかつWindows11でもiPod classicでムービーを同期できる方法はありました。10年前に生産終了したiPod classicでもまだまだ現役です。

ちなみに音楽の方は何の問題もなく同期できます。

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