結論から言うと、iPod shuffle 第1世代はWindows11(64bit)でも初期化できます。
ただし、Apple公式の「iPod Reset Utility.exe」はそのままでは動きません。
理由は、このツールがWindows XP時代の32bitアプリケーションだからです。
実際に公式でも対応OSは以下に限定されています。
- Windows 2000 SP4
- Windows XP SP2
そのため、以下の手順が必要になります。
- iPodResetUtility.exeファイルを解凍する
- iPodResetUtility.msiを展開する
- 本体iPodResetUtility.exeを互換モード(XP SP2)で実行
- USBは直挿し
この5つを守れば、Windows11でも復元できます。

結論
iTunes for Windowsで認識されなかったiPod shuffle 第1世代も、Windows 11の64bit環境で初期化できます。
ただし、Apple公式が配布している「iPod Reset Utility.exe」は、そのままではまず動きません。このツールは2000年初期、Windows XP時代に作られた32bitアプリケーションだからです。
私が実際に成功した方法は、次の3つを組み合わせることでした。
- exeを7-zipで展開してmsiを取り出す
- PowerShellでmsiをさらに展開する
- 内部の実行ファイル(iPodResetUtility.exe)を互換モード(XP SP2)で開く
簡単なことのように見えますが、ここに至るまでに結構悩みました。
環境
今回私が使用した環境は以下の通りです。
- iPod shuffle 第1世代(通電のみ確認できた個体)
- Windows 11(64bit)
- USB-Aポート直挿し(ハブは使わない)
- 7-Zip(解凍ソフト)*1
7-Zip公式:https://www.7-zip.org/ - iPod Reset Utility 1.0.4 for Windows
Apple公式:https://support.apple.com/ja-jp/106436 - Apple Mobile Device USB Driver
iTunes for Windowsが入っていればこのドライバーは不要です。
*1
7-Zipについて注意があります。2025年頃から「7-Zip(偽)」と呼ばれる偽サイト経由の被害が報告されています。またMicrosoft Storeのものも怪しいとの話もあります。2026年になってからは急増し、状況は悪化しています。
偽アプリはウィルス対策ソフトの検知を回避したり、勝手にVPNを仕込まれて外部からPCを操作しようとされるなどといった被害が報告されています。
被害者の多くは本家ではないドメインからダウンロードしていたようなので、必ず公式サイトのドメイン(7-zip.org)から入手することをおすすめします。重ねていいますが、Microsoft Storeにも偽物の7-Zipが紛れていることがあることを明記しておきます。
実体験
正直に言うと、最初は「iTunesかFinderに繋げば何とかなるだろう」くらいの気持ちでいました。ところが実際にはmacOSのFinderにもiTunesにも認識されず、この時点で「バッテリーは生きているのに?」という謎だけが頭をよぎりました。
そこで思い出したのが、Apple公式サイトに今でも残っている「iPod リセットユーティリティは 1.0.4 (Windows)」です。しかも2024年3月8日にページが更新されている形跡もありました。早速ダウンロードをして実行しましたが、エラーで弾かれてしまい、ひとつめの壁にぶつかりました。
ここで一度立ち止まり、公式ページの仕様を読み直しました。すると対応OSの欄に、Windows 2000 SP4とWindows XP SP2としか書かれていません。どちらも32bit時代のもの。64bitのWindows 11で動く前提では作られていません。XPを持っていたらあるいは?とも思いました。
ここから「動かない理由」を一つずつあぶり出して潰していく作業になりました。exeの中身がただのインストーラで固められていること、中のmsiをPowerShellで無理やり展開すること、展開後の本体が互換モード(XP SP2)と管理者権限の組み合わせで実行できることがわかりました。
実際にリセットを行い進捗バーが進むのを見た瞬間は正直かなり嬉しかったです。
なぜiPod Reset Utilityはそのまま動かないのか
単純にアプリが古すぎるからです。
Windows XP SP2は、記憶が正しければ2004年あたりにリリースされていたと思います。XP SP2やWindows 2000を前提に設計された20年前のソフトです。macOSは早々と10年ほど前に64bitへ移行し、32bitを打ち切りました。
Appleは10 年以上前から、Macを64ビットのハードウェアおよびソフトウェア技術へと移行させ始めています。現在のすべてのMac には、パワフルな64ビットプロセッサが搭載され、高性能の 64 ビットアプリを実行できるようになっています。
Apple公式サイトより
つまりmacOS側では何もすることができないということがわかりました。可能性としては互換モードのあるWindows側で工夫するしかありません。その工夫は「展開」「PowerShellで強引に展開」「互換モード+管理者権限」この三つでした。
64bit環境と32bit前提のアプリという設計思想の違いを過去の知識を動員する必要がある、ということが今回の復旧の問題の本質だと思いました。
解決
私が実際に行った手順を、順を追って説明します。
STEP 1. iPod Reset Utilityを入手する
Apple公式サポートページ(https://support.apple.com/ja-jp/106436)から「iPod Reset Utility 1.0.4 for Windows」をダウンロードします。実行できないのでダウンロードだけです。
STEP 2. exeを展開してmsiを取り出す
7-ZipでiPodResetUtility.exeを解凍し、中に含まれているiPodResetUtility.msiを取り出します。

STEP 3. msiをPowerShellで展開する
msiは7-Zipでは中身を取り出せません。PowerShellのmsiexecコマンドで展開します。
Start-Process msiexec.exe -Wait -ArgumentList '/a "C:\Users\username\Downloads\iPodResetUtility.msi" /qb TARGETDIR="D:\iPod"'
重要なのは「/a」です。管理者として無理やり展開を行います。普通のインストール方法では失敗するだけなので、この方法を採用しました。
STEP 4. 実行ファイルを特定する
msiが展開されると、「Common Files」「Program Files」「iPodResetUtility.msi」の三つが展開されます。
この中の「Program Files」→「iPod」→「iPod Reset Utility」の中に本体のiPodResetUtility.exeがあります。
STEP 5. 互換モードで管理者実行する
本体のexeを右クリックしてプロパティを開き、互換性タブから「Windows XP SP2」を選択します。「管理者として実行」にもチェックを入れてください。これでiPodResetUtility.exeが起動できます。
- 本体のiPodResetUtility.exeを右クリック
- プロパティ
- 互換性タブ
- 「Windows XP (Service Pack 2)」を選択
- 「管理者として実行」にチェック
なぜ互換モードと管理者実行と回りくどいことをするのか。それは古いAPIなので通常起動不可であることと、デバイス制御に管理者権限が必要だったからです。

これでmacOSのFinderやiTunes for Windowsでも認識できます。初期化後は復元をして工場出荷状態へ戻せば完了です。
気を付ける点としてはハブを経由しないということです。「Unable to recognize device」というエラーが出てしまうことがあります。
進捗バーが進むのを見ると、感無量といった気持ちになります。

これで一連の作業は終わりです。2026年でも通電さえしていれば、なんとか復旧が可能な個体はあるということがわかりました。
チェックリスト
- iPodResetUtility.exeを解凍した
- iPodResetUtility.msiを展開した
- 互換モード(XP SP2)に設定した
- 管理者権限として実行した
- USBをPCに直挿しした
ひとつでも欠けると失敗します。
よくある質問(FAQ)
- QWindows11でも初期化できますか?
- A
できます。互換モード(XP SP2)と管理者権限での実行さえ守れば、64bit環境でも問題なく動作しました。
- QiPod Reset Utilityで初期化するとデータは消えますか?
- A
消えます。工場出荷状態に戻す処理のため、中のデータはすべて消去されます。
- Q公式に対応しているOSは何ですか?
- A
Apple公式の仕様上はWindows 2000 SP4とWindows XP SP2のみです。Windows11は非対応ですが、互換モードを使うことで動作させられます。
- Qリセット後も認識されない場合はどうすればいいですか?
- A
ハブは使わない、USBポートを変える、Apple Mobile Device USB Driverを入れ直す、別のPCで試すといった方法を順番に試してみてください。
まとめ
iPod shuffle 第1世代の初期化は、「なぜ動かないのか」を理解することが一番の近道でした。1. exeの展開、2. msiの展開、3. 互換モード、4. 管理者権限、5. USB直挿し。この5つが揃って初めて成功します。
古いツールを無理やり動かす作業は意味がないように見えますが、古い技術の仕組みを理解することにはとても価値があります。他のレガシーデバイスの復元作業にも、同じような考え方が応用できるのではないかと思っています。
リファレンス
Apple公式:iPod リセットユーティリティは 1.0.4 (Windows):
https://support.apple.com/ja-jp/106436
7-Zip公式:
https://www.7-zip.org/
Apple公式iPod Reset Utility仕様:
iPod shuffle 第1世代、第2世代に対応したiPod Reset Utility
https://support.apple.com/ja-jp/106436
Apple公式サポート情報:
macOSと32bitアプリの互換性について
https://support.apple.com/ja-jp/103076
Apple公式Developer情報:
64bit Transition Guide
https://www.google.com/search?q=https://developer.apple.com/library/archive/documentation/Darwin/Conceptual/64bitPorting/introduction/introduction.html
Microsoft公式:
msiexecコマンドラインオプション
https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows/win32/msi/command-line-options
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更新履歴
- 2026年7月15日
- 2026年3月27日
- 2025年4月18日

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